あらすじ
帰宅途中の主人公が謎の人物に襲われ、気がつくと何もない部屋に閉じ込められる。部屋の中には「2択」の文字と、2つのドアがあった。
本編
夜遅く、仕事を終えた俺はいつものように家路を急いでいた。道端の街灯がちらつく中、背後から急な足音が聞こえた。「誰かいるのか?」と振り返ると、突然強い衝撃が頭を襲い、意識が遠のいた。
目が覚めると、俺は見知らぬ部屋の中にいた。四方を囲む壁は真っ白で、家具も窓も何もない。ただ、壁には大きく「2択」と書かれており、部屋の奥には2つのドアがあった。
(どうすればいいんだ…?)
右のドアには「生」と、左のドアには「死」と書かれていた。心臓が早鐘を打つ。選択を迫られている。だが、どちらが安全なのか、何の手がかりもない。
(冷静に考えろ…)
俺は深呼吸をして、左のドアに手をかけた。すると、突然、壁の文字が変わった。「選択は逆転する」と。
(逆転? つまり…)
俺は慌てて右のドアに手をかけ、力を込めて開けた。ドアの向こうには、俺が仕事を終えて家に向かっていたあの道。信じられないような安堵が体を包み込んだ。
だが、背後から再び足音が聞こえた。振り返ると、襲ってきた人物がそこにいた。不気味な笑みを浮かべながら、彼は言った。
「次は、もっと難しい選択を用意しておくよ」
急いでその場から逃げ出した俺は、今もその言葉が頭を離れない。