あらすじ
普段通りの朝、都市伝説を調べる主人公。しかし、ある日、その日常が恐怖に変わる。彼が見つけた都市伝説は現実とリンクし始め、恐ろしい事態に巻き込まれる。
本編
朝、目が覚めたらいつものようにルーティンを開始した。顔を洗い、歯を磨き、そして朝ごはんを食べながらスマホで都市伝説について調べる。私、田中は都市伝説が大好きで、毎朝のこの時間が一日の中で最も楽しみだ。
ある日、とある記事に目を止めた。「消えたビル」と題されたその記事は、街中にあるはずのビルが突然人々の記憶から消えるというものだった。「面白いな」と思いながらも、特に気に留めることはなかった。
しかし、その日の帰り道、いつも通るはずのビルがないことに気付いた。「おかしいな、あそこにビルがあったはずだけど...」と思いながらも、疲れているのかと自分を納得させた。
翌朝、また新しい都市伝説を探していた時、昨日の「消えたビル」の記事が更新されていた。「この都市伝説は現実に起こる」という新しい情報が追加されていたのだ。心臓がドキドキし始めた。昨日見たはずのビルが本当に消えていたのかもしれない。
(もしかして、これはただの偶然じゃないのかも...)
その日の帰り道、昨日消えたビルの場所をもう一度確かめに行った。すると、そこには確かに何もなかった。ただの空き地だ。まるで最初からビルなど存在しなかったかのように。
「こんなはずじゃ...」と思いながらも足を進めると、突然スマホが鳴った。画面を見ると、また新しい都市伝説の通知が来ていた。「次は『消える人』」というタイトルだった。
(まさか...)
家に着いてドアを開けると、家族の姿が見当たらない。普段なら家にいるはずの時間だ。不安が高まりながら部屋を探すと、家族のものがすべて消えていた。まるで家族がいたこと自体が嘘のように。
震える手でスマホを見ると、今度は「消える自分」というタイトルの都市伝説が目に飛び込んできた。
(これはもう...)
恐怖に駆られながらも、鏡を見るとそこには自分の姿が映っていなかった。