あらすじ
普段から秘密裏に呪いを行っていた主人公が、ある日、その行為を人に目撃される。その瞬間から、彼の日常は恐怖に満ちたものに変わる。
本編
学校でのいじめが原因で、僕は呪いを趣味にしていた。いつものように、僕の隠れ家である古びた倉庫で、嫌な奴らに向けて呪いを唱えていた。そのとき、突然の物音が…。
「誰だ!」僕は振り返った。そこには、同じクラスの真面目な女の子、麻衣が立っていた。
「何してるの?」彼女の声は震えていた。
(まずい…見られた…)
「これはね、ただの遊びさ」と僕は慌ててごまかした。
「遊び…?」麻衣の目は疑いに満ちていた。
その夜から、僕の周りの出来事がおかしくなり始めた。いつも通り呪いを唱えた翌日、嫌な奴の一人が学校を休んだ。そして、翌々日、また別の奴が事故に遭った。
(これは偶然…?)
「あなたが呪ったの?」麻衣が僕に問いかけた。
「違う!ただの偶然だ!」僕は必死に否定したが、彼女の表情は冷たかった。
次の日、麻衣は学校に現れなかった。そして、その日の夜、僕は麻衣の夢を見た。彼女が僕を責めるような、冷たい目で見つめている夢だ。
(まさか、麻衣に何かが…)
恐怖に震えながら、僕は麻衣の家へと向かった。ドアをノックすると、彼女の母親が出てきた。
「麻衣は昨日から部屋から出ていないの。何か知ってる?」彼女の顔には心配の色が浮かんでいた。
(これは僕のせい…?)
僕は麻衣の部屋に向かった。ドアを開けると、彼女はベッドに座り、壁に何かを書いていた。
「麻衣、大丈夫?」僕が声をかけると、彼女はゆっくりと振り返った。その手には、呪文が書かれた紙片が握られていた。
「これ…あなたのために…」彼女の声は震えていた。
僕はその紙片を見て、凍りついた。そこには、僕の名前が書かれていたのだ。