廃墟

あらすじ

趣味で廃墟巡りをする友人たち。しかし、一つの廃墟で起きた不可解な出来事が、彼らの運命を変える。

本編

私たちは廃墟巡りが趣味の大学生グループだ。今回の目的地は、山奥にひっそりと佇む廃病院。その病院には都市伝説があった。夜中に、廊下の奥から女性の泣き声が聞こえるという。

「これは絶対面白いぞ!」と興奮する友人のアキラ。私も心躍らせていた。

山道を抜け、ついにその廃病院に到着した。外観は想像以上に荒れ果てていた。「こんなところに本当に人がいたのかな」と、不安がよぎる。

建物に入ると、薄暗い廊下が伸びていた。壁には剥がれかけのペンキが、むき出しの鉄骨が、どこか異世界のような雰囲気を醸し出していた。私たちは懐中電灯を頼りに進んでいく。

「なんか、気配を感じるような…」とアキラが囁いた。私も何かを感じた。冷たい空気が肌を撫でるように流れていた。

(まさか本当に幽霊なんて…)と思いつつ、廊下を進む。すると、ふと女性の泣き声が聞こえた気がした。アキラも私も立ち止まる。「聞こえた?」とアキラ。私は頷く。

声の方向に進むと、そこには古い手術室があった。中はほこりだらけで、古い器具が散乱していた。手術台の上には、古い人形が一つ。不気味さが増す。

すると、突然、扉が勢いよく閉まった。私たちは飛び上がった。振り返ると、そこには誰もいない。ただ、扉がゆっくりと開いていくのが見えた。

「ここから出よう」とアキラが言う。私も同意し、急いで廊下を戻る。しかし、廊下が違う。行き止まりになっていた。私たちは迷った。

「どうしよう…」とアキラ。その時、再び女性の泣き声が聞こえた。声の方向に進むと、開かなかった扉があった。扉を開けると、そこは外だった。

私たちは慌てて病院を出た。振り返ると、病院の窓から、女性がこちらを見ているように見えた。その目は、何かを訴えるようだった。

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怖い話
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