あらすじ
夜中、水の滴る音に目覚めた主人公。その音の正体を探るうちに、不可解で恐ろしい現象に直面する。
本編
深夜、静寂を切り裂くような水の滴る音に目が覚めた。時計を見ると午前3時。家のどこかで水がポタポタと音を立てている。
「また蛇口を閉め忘れたのかな...」そう思い、ベッドから這い出した。
リビングを通り、キッチンに向かう。しかし、キッチンの蛇口はしっかりと閉まっている。音は他の場所から聞こえてくるようだ。
(この音は一体どこから?)
家中を探し回るが、音の正体は見つからない。それどころか、音はどんどん大きくなっていく。
(こんなに大きな音なのに、どうして見つからないんだろう...)
不安に駆られながらも、音の発生源を突き止めるため、家の隅々を調べ続ける。すると、ふと、家の一番奥にある物置のドアに目が留まった。普段はあまり使わない物置だ。
(もしかして、ここから?)
ドアをゆっくり開けると、その中からますます大きな水の滴る音が響き渡る。しかし、部屋の中には水漏れの痕跡も、水たまりもない。
(どうして?)
そこで、ふと天井を見上げると、何かが目に入った。暗闇の中で、天井から一筋の水がポタポタと落ちている。しかし、その水滴の落ちる先には何もない。
(これは一体...?)
恐怖と好奇心が入り混じる中、私はその水滴の下に手を伸ばした。しかし、手には何も感じられない。まるで水滴が空中で消えてしまうかのようだ。
(これは夢なのか、それとも...)
恐怖に耐えながらも、もう一度手を伸ばす。すると、その瞬間、水滴は突如として止み、そして部屋の中は再び静寂に包まれた。
「な、なんだったんだろう...」
恐怖と疑問だけが残る中、私はその場に立ち尽くした。その夜、私はもう眠ることができなかった。