変わった能力

あらすじ

主人公は特殊な能力を持っていた。人の目を見ると、その人の思考がなんとなくわかる。ある日、彼はその能力によって恐ろしい秘密を知ってしまう。

本編

私、高校生の晴人は、少し変わった能力を持っている。人の目を見ると、その人の思考がなんとなくわかるのだ。最初は面白いと思っていたが、徐々にその能力に恐怖を感じるようになっていた。

「おはよう、晴人」校門で親友の大輔が声をかけてくる。彼の目を見ると、今日の数学のテストについて考えていることがわかる。「おう、おはよう。テスト、大丈夫か?」と返すと、大輔は少し緊張した表情を見せた。

(こうしてみんなの考えがわかるのは、ちょっと便利だけど…)

しかし、その日の放課後、私の能力は恐ろしいものを見せつけられることになる。ふと、廊下で目が合ったクラスメートの目を見た瞬間、私の頭の中に彼女の声が響いた。

(私、もうダメかもしれない…)

その声は明らかに彼女の普段のものとは違い、深い絶望が感じられた。私は彼女に話しかけようとしたが、彼女は急いでその場を離れてしまった。

(どうしたんだろう…?)

その晩、私はそのことが気になって仕方がなかった。次の日、学校に行くと、そのクラスメートの席が空だった。担任の先生が静かに話し始めた。

「皆さん、悲しいお知らせがあります。昨日、〇〇さんが…」

私の心臓が凍りつく。昨日の彼女の思考が真実だったと知った瞬間だった。私は自分の能力に怯え、人の目を見ることができなくなった。

(こんなことなら、この能力なんていらなかった…)

その日から、私は人の目を直視することができなくなった。この能力がもたらすのは、時に深い悲しみと恐怖だったのだ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
怖い話
影山 真夜 (Kageyama Maya)をフォローする
怖話物語
タイトルとURLをコピーしました