あらすじ
夜道を歩く女性が彼氏とテレビ電話をしていると、背後に奇妙な存在が映り込む。不安と恐怖に包まれた女性が真実に迫る物語。
本編
夜の街灯がぼんやりと照らす中、私は一人で家路を急いでいた。携帯の画面には彼氏の顔が映っていて、「気をつけて帰ってね」と優しく声をかけてくれる。普段通りの会話に安心しながら、ふと背後に人影のようなものが映り込むのが見えた。「あれ?後ろに誰かいる?」彼が不安げに尋ねる。
(誰かいるのかな…?)と心の中で思いつつ、恐る恐る振り返るが、誰もいない。ただの気のせいだと自分に言い聞かせ、再び歩き始める。しかし、数分後、彼がまた「今、何か映ったよ」と言う。再び振り返るが、やはり誰もいない。
「大丈夫だよ、ただの影だったんだ」と私が言うと、彼は心配そうに「でも、なんか変だよ。その影、動いてたように見えた」と返す。その言葉に背筋が凍る。私は慌てて周囲を見回すが、周りには人の気配はない。
「もうちょっとで家だから、そのまま電話してて」と私が言うと、彼は了解したと答えた。家に近づくにつれ、その奇妙な影は現れなくなり、安堵の息をつく。家の前にたどり着くと、私は「ただいま、無事帰れたよ」と笑顔で彼に伝える。
すると、彼が真剣な表情で「ちょっと待って、もう一度外を見て。その影、今、君の家の方向に動いたように見えたんだ」と言う。私の心臓が跳ねる。ゆっくりと振り返り、家の方を見ると、窓に何か影が映っているのが見えた。まるで、私を待ち受けているかのように。
(これは一体…?)