とある掲示板

あらすじ

普段チェックしている掲示板で、不吉な予告を見つけた主人公。それは現実とリンクし始める。

本編

夜中の2時、いつものようにパソコンの前に座っていた。眠れない夜の友、それが「とある掲示板」だった。雑談から都市伝説まで、何でもありの掲示板。しかし、今夜は違った。

「今夜、あなたの街で何かが起こる。」という書き込みが目に飛び込んできた。心地悪い寒気を感じながらも、好奇心が俺をそのスレッドに引き込む。

「何を言ってるんだ?」とレスを打ち込み、投稿ボタンを押す。すると、返信がすぐに来た。「信じるか信じないかはあなた次第。ただ、用心して。」

(まさか、これって…)と思いつつも、現実味のない話に半信半疑だった。けれど、その夜、外から異様な物音が聞こえ始めた。まるで何かがガリガリと壁を引っかいているような…。

恐怖に駆られて窓の外を覗くと、そこには何もいない。ただ、壁には新しい引っかき傷が。これはもう偶然とは思えない。

「もしかして、掲示板の…」と考える間もなく、次の書き込みが。今度は「あなたの名前」が書かれていた。心臓がバクバクと音を立てる。これはもはや脅迫だ。

「誰だ、お前は!」と書き込み、恐怖と怒りで震える手を落ち着かせようとするが、返信はない。その夜、眠ることはできなかった。

翌日、警察に相談に行くと、掲示板の運営会社に問い合わせてくれた。しかし、そのスレッドはすでに削除されていた。書き込みをした人物の特定もできないという。

数日間、異常なし。安堵しつつも、どこかで不安がくすぶっていた。そして、また新たな書き込みが。今回は「今夜、最後の訪問者があなたを訪ねる」と。

夜になり、ドアのノックが。恐る恐るドアを開けると、そこには…。

ドアを開けた瞬間、目の前には何もいない。ただ、足元に一枚の手紙が落ちていた。「これが最後のメッセージだ。外を見てごらん」と書かれている。

(何のことだ?)と思いつつも、指示に従って外を見る。すると、向かいの家の壁に大きな文字で何かが書かれている。「あなたはもう安全です」と。

このメッセージは一体何?そして、誰が?疑問が渦巻く中、再び掲示板を開く。しかし、そのスレッドは既に消えていた。跡形もなく。

その後、何事も起こらなかった。だが、あの掲示板には二度とアクセスしないと心に誓った。あれは一体何だったのだろう?ただのいたずら?それとも…

日常は戻ったが、あの夜の出来事は今でも私の心の隅に残り続けている。あの不気味な書き込みと、壁に書かれたメッセージ。それが何を意味していたのか、真実は永遠に謎のままだ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
怖い話
影山 真夜 (Kageyama Maya)をフォローする
怖話物語
タイトルとURLをコピーしました