本編
新しいアパートでの一人暮らし、初日の夜。
「さて、新生活のスタートだ」
狭い部屋でも自分の城。うれしさでいっぱいだった。
ところが、ベッドに横になると、天井に何かがいる気配。
(気のせいかな...)
そっと目を閉じた。
翌朝。
「なんだ、気のせいだったんだ」
リラックスして朝食を食べる。しかし、テーブルの上に一つの皿が多い。
(これは...誰のだ?)
不安がよぎるが、忙しさにかまけて忘れてしまった。
数日後。
夜、帰宅すると、テレビがついている。
「えっ、消したはずだけど...」
気味が悪くなり、確認するとリモコンは見当たらない。
(泥棒?いや、それにしては何も盗まれてない...)
一週間後。
「これは...」
ベッドには誰かが寝ていた形跡。シーツには体温が残っている。
「誰かが...ここに...」
誰かと一緒に暮らしているような気配。
しかし、確たる証拠はなく、恐怖だけが募る。
その夜、ベッドに入ると、いつもより重たい感触が。
(誰かが...隣に...)
恐怖で声も出ない。布団の中から何かがそっと手を伸ばしてきた。
「だれ...だれですか?」
声が震える。返事はない。
翌朝、目を覚ますと、隣には誰もいない。
「夢だったのかな...」
しかし、布団には確かに誰かがいた形跡。心臓が早鐘を打つ。
その日、仕事から帰ると、部屋の中が微妙に変わっていた。
物が動かされ、壁には謎の落書き。
(これはもう、幽霊か何か...?)
恐怖が日々増す。しかし、部屋を出る勇気もない。
ある夜、とうとう耐え切れずに友人に電話。
「助けて...誰か、ここにいるんだ...」
友人は心配してすぐに駆けつけることに。
友人が到着した時、部屋は静まり返っていた。
「どうしたの? 何もないじゃない」
しかし、その時、壁の落書きが変わっていることに気づく。
「お前は一人じゃない」
恐怖で凍りつく。
一人暮らしの主人公が部屋にいるはずのない「誰か」の存在を感じ続けること。最後に「お前は一人じゃない」という落書きが現れたということは何者かが潜んでいるということ。