忘れられた人形

本編

私が新しい家に引っ越してきたとき、屋根裏部屋で見つけたのは、古ぼけた人形だった。その人形は、なんとも不気味な笑顔を浮かべていた。それから毎晩、階段のきしみ声や、遠くのドアが閉まる音が聞こえるようになった。最初は古い家だからだろうと思っていた。

しかし、ある晩、人形がいつもと違う場所にあるのに気付いた。「どうしてここに?」と思いながら、元の場所に戻す。次の日も、また同じことが起こった。だんだんと、その人形が動いているのではないかという恐怖が頭をよぎり始めた。

(どうしてこんなことが…)

そして、ある朝、目覚めると、その人形が私のベッドの横に座っていた。「どうしてここにいるの!」と叫ぶと、人形はゆっくりと首を傾げ、ぼそりと呟いた。

「一緒に遊ぼうよ。ずっと待ってたんだから…」

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意味怖
影山 真夜 (Kageyama Maya)をフォローする
怖話物語
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