本編
毎日、同じ時間に会社の食堂で昼食を取る俺。しかし、最近、周りの人たちの様子がおかしい。いつも賑やかな食堂だが、俺が席につくと皆、急に静かになる。それに、誰も俺の方を見ようとしない。
「あれ、今日は何かイベントあるのかな?」と思いつつも、俺はいつも通りに昼食を楽しむ。でも、なんだか空気が重い。隣の席の人が、俺をチラチラ見るが、目が合うとすぐに顔を背ける。
(変だな…何か俺、間違ったことしたっけ?)
そんな疑問を抱きつつも、食事を終えると、いつものようにトレイを返却しに行く。すると、食堂の入り口に、黒いリボンが飾られているのが目に入った。近づいてみると、そこには小さな写真が。写真には、笑顔の俺が…
「え…これ、俺?」
驚いて周りを見渡すと、皆、俺を見ていた。その目は、悲しみと哀れみに満ちていた。
語り手が自分が亡くなっていることに気づいていない点にあります。毎日の昼食が、彼にとって最後の日常だったのです。